2007年活動レポート

スローフード・スローライフな真砂

2006年度は「県民との協働による島根づくり事業」にておいて、島根県益田市・真砂地区を拠点に、農業・食育体験を実施しました。

寺子屋Tシャツ

ログイン

ログイン

 2010/09/09 12:43 午後

子どもたちがヒナを育てるとおいしいお米ができるなんて!

  • 2007/06/16 06:00 午後
  • 投稿者:
    iwai

~子どもたちとおいしいお米の新法則 発見!~
◆2007年6月16日(土)
 ネイチャーキッズ寺子屋ファーム(益田市波田町)



二つの環境でヒナたちを飼育・・・田に放してみると・・・

 梅雨空も、雲の切れ間に陽が輝く6月16日の土曜日の午前。今年も合鴨を田に放つ日がやってきた。前の日降った雨のせいなのか、それとも真砂の緑が濃いからなのか・・・あたりは雲気が満ち満ちて、息をする空気に味があるかのよう。ときおり差し込む朝の日に、遠景は少し霞んで見える。驚くほど近くで山鳥のなく声がする。その声がまた妙になまめかしい。さえずりに色があるようなのだ。

 今年は合鴨のヒナの半分を市街地の吉田保育所で育ててもらうことにした。吉田保育所では、給食にも当地区の米を使用している。「食農」体験をさらにおし進め、「NK寺子屋」とともにアイガモ農法にチャレンジし、山里と交流を図ろうということなのだ。

 その吉田保育所で育てた合鴨のヒナと、真砂で去年と同じように、イチロー邸で育てた合鴨を田に放つ。真砂でのヒナの飼育は二年目になり、やはり一度取り組んだということは相当な自信となり、飼育係のイチローには早くも風格のようなものがただよってきた。2組のヒナを盥に入れて、田まで運ぶ。一様に首を伸ばし、さえずる姿は愛らしくも滑稽だ。

 一枚の田に「保育所チーム」のヒナたちを、もう一枚の田には、真砂で育てられたヒナたちを放すことにした。「保育所チーム」の田の稲は保育所の子どもたちが自ら植えたものでもある。田にヒナを放すと・・・驚くことが待っていた。

 「保育所チーム」のヒナの方が圧倒的によく泳ぎ、よく草を食べ、よく仕事をするのだ。その動きの差といったら、サッカーブラジル代表と小学生チームくらいの差があるといっても過言でないほど、顕著なものだった。
「保育所チーム」のヒナたちは田に放った瞬間から一群となり、ものすごいスピードで田を回りはじめた。稲の根元の水は茶色ににごり、浮き草はヒナたちの胃に収まっていく。みるみるその田の水は一面に茶色くなっていった。かたや「真砂チーム」ときたら、鳥小屋のそばの田に恐る恐る散策に出てみたという風なのだ。

 我々はしばらく圧倒されて田のへりに立ちつくしていた。
 「どうしてこんなことになったのだろう?」
 「この差はいったい・・・・」

好むと好まざる「刺激」のかもし出す作用とは

 そもそも吉田保育所で育てられたヒナたちは体格からして大きかった。エサをやりすぎたのだろうと思っていたのだが、そうではなく、日ごろから子どもたちにかわいがられ、(?)、触られ(好むと好まざるに関わらず…)、そして、園庭を子どもと一緒に走り、プールで追い回され・・・「家族」と慕われて育てられた。その結果、身体は大きくなり、動きは俊敏になった。真砂のヒナたちは、ヒナ専用のかごの中で、鳥たちただけで大きくなった。そしてこの二つのヒナたちのグループの活動量には雲泥の差が生じてしまった。

 このことは例えると、人間の子どもたちにもあてはまる。やはり、子どもたちには、本人の希望を聞かず、多くの刺激を与えることが、効果的な成長を促すということ。もちろん、園児たちは、愛情をこめてヒナたちに接してはいた。もし仮に合鴨たちの希望を聞いたとすると、彼らはきっと「静かにしておいてくれ」と言ったに違いない。それでも園児たちは、容赦なく、刺激を与え続けた。

 ここに、人間の教育の肝心な部分もあるように思う。子どもたちにどんな刺激を・・・ここが、大人たちの知恵の出しどころではないか。決して、子どもたちがひとりでに、たくましくなるなんてありえない。どんな刺激を受けてきたかが、その後の成長さえも決定していくのだ。子どもとたちに対しての刺激の「さじ加減」、そして刺激的な大人であり続けること・・・カモたちが今年また我々に「問い」をなげかけてくる。

 今年もどんなことが待ち受けているのか、あいかわらずワクワクさせてくれる合鴨農法だ。(ohhata & iwai)

トラックバック

このエントリのトラックバックURL:
http://www.nk-terakoya.com/trackback.php?id=20070702191949836